小説『ネタバレあり 双紋島の殺人』|おすすめできる人・できない人

小説

※感想パートは微ネタバレを含みます。全く情報を入れたくないという人はご注意ください※

【3段階評価】

★★《人を選ぶが、合う人にはおすすめ》

どんな人におすすめ?

・ミステリー作品好き
・伏線回収が好き
・テンポ重視
・推理、謎解きがしたい

あまりおすすめ出来ないかもしれない人

・重厚なドラマを楽しみたい気分の人
・魅力的なキャラクターに共感したい人
・泣いたり笑ったり感情を揺さぶられたい人

基本情報

著者:下村敦史さん
刊行:2026年4月
ページ数:320ページ
管理人が読破までにかかった時間:3時間

あらすじ

絶海の孤島で起きた未解決の連続殺人事件。事件の当事者でもあるミステリー作家は、真相を暴くため、その一部始終を「双紋島の殺人」という小説として世に送り出す。

しかし巻頭には、「最初の犠牲者は名探偵」「登場人物の一人は偽名」「共犯者がいる」など、ミステリーでは禁じ手ともいえる7つのネタバレが堂々と記されていた。

ネタバレを手掛かりに作中作を読み解き、未解決事件の真犯人へと迫っていく――前代未聞の”ネタバレあり”本格ミステリー。

〈感想〉良かったところ

ネタバレが載っているというかつてない構成に惹かれ、書店で即買いを決めた本作。

重大な情報が開示されている状態でどのように物語をどのように進めるのだろうと期待して読み始め、
個人的には見事な着地をしていたと思う。

先に言っておくと、物語の一番核となる謎についてはもちろんネタバレされていない。
なので冒頭ネタバレにヒントに結末を予測しながら読み進めることになるのだが、これが普通のミステリー小説よりも謎解き要素が強い印象で、他よりものめり込みながら読むことができた。

ミステリーに慣れている人であればおそらく途中で真犯人には気づくと思うが、犯人がわかった後でもしっかりとした構成で物語は進んでいくので、その意味でも楽しめると思う。

先ほども述べた通り、ネタバレというヒントがあることで謎解きをするような気分で読むことができる作品でもあるので、ミステリー好きだけではなく、クイズや謎解きが好きな人にも読んでもらいたい!

〈感想〉いまいちだったところ ※あくまで個人的な所感です

ミステリー小説なのでそこを求めすぎてもしょうがないのだが、キャラやドラマは希薄だった印象。
謎解きに全振りしている感じなので、読後は、「いい作品を読んだな」というよりは「いい体験をしたな」という感覚が強かった。
犯人が犯した罪の内、ひとつは動機があまりわからなかったというか、作中で描かれている人物像と一致していないと思った。
感情を揺さぶられるようなキャラクターやドラマを求めている! という人にはおすすめできないかもしれない。

あと、この物語の面白い部分として、そもそもなぜネタバレがあるのか?というところを推理していくという楽しみもあると思う。だがこれを推理していく上で、冒頭のネタバレの一つに本当に重大なネタバレが入ってしまっているので、読み慣れている人からしたら非常に気になってしまうかもしれない。

総評

ミステリー小説として万人にすすめられる作品ではないかもと思いつつ、メタ的な仕掛けや、読者に挑戦する構成が好きな人にはおすすめできます。個人的には人物描写に物足りなさを感じましたが、ネタバレを物語の仕掛けとして扱う発想は非常に楽しめました!